クラウドファンディングは、インターネットを通じて多くの人から資金を集める仕組みです。
ただ、クラウドファンディングのサイトに登録すれば、資金を提供してくれる支援者は簡単に集まるわけではなく、積極的な告知(お願い)活動が成功のポイントとなります。
クラウドファンディングのサイトで募集を開始する前に、自分や会社のファンや情報を受け取ってくれる人が多くいれば、クラウドファンディングは成功しやすくなるわけです。逆に、連絡できる相手があまりいない場合には、支援者を集めることは困難です。
そのため、クラウドファンディングで資金を集めたいと思う人や企業は、日頃から顧客、取引先、ファンや興味を持ってくれる人などで、Webやメールなどオンラインで情報を受け取ってくれる人を増やしておくことが重要です。そのための手法が「Webマーケティング」です。
Webマーケティングとは?何ができる?
Webマーケティングとは、インターネットを活用したマーケティング活動のことです。広くは、広告、販売促進、広報、営業、顧客サポートなどにまたがった取り組みです。
では、Webマーケティングに取り組むと、どんなことができるのでしょうか?
- ファン(優良顧客)が増え、低コストで売上を上げることができる
- 取引先が増える、関係が良好になる
- 採用活動で応募者が集まりやすくなる
- 商品開発のヒントとなるデータを集めやすくなる
- クラウドファンディングで支援者を集めやすくなる
などなど、クラウドファンディングの支援者集め以外にも、いろんな効果が見込めます。
目的によって取り組む内容は変わりますが、基本的には、継続的に情報を受け取ってくれる、ファン(優良顧客)や興味を持ってくれる人を増やしていくことです。
これらはWebマーケティングを利用しなくても実現できますが、その利点は、低コストで効率的に実施し、活動の効果分析がしやすいことにあります。
Webマーケティングの主な方法・手段
では、Webマーケティングはどのように取り組めばよいのでしょうか?
Webマーケティングで、よく使われる方法には以下のようなもがあります。
- Webサイト(ホームページ)での情報発信
- ネット広告
- SNS(ソーシャルメディア)の活用
- メルマガでの情報発信
Webマーケティングのポイントは「コンテンツ」です。
Webマーケティングでは、インターネット上でのやり取りになるため、営業活動やセミナーなどのように、直接話しをすることはできません。一方で、Webサイトなどのオンラインコンテンツであれば、チラシやパンフレットのような印刷物と違い、「どのページが多く読まれたか」「誰が購入したか」などが簡単にわかったり、SNSで共有してもらえたりします。
ポイントは、そのようなWebマーケティングの特徴を考慮してコンテンツを用意し、情報発信の手段(メディア)に合わせて配信していくことです。
1.Webサイト(ホームページ)
多くの企業が、自社の企業サイト(コーポレートサイト)を持っています。企業サイトは、紙の会社案内のWeb版のような位置づけで、その1サイトしか持っていない場合も多いでしょう。
しかし、Webマーケティングでは、もっと違った活用の仕方をします。
Webサイトは、紙媒体と異なりページ数や情報量の制約はありませんし、情報の追加更新もいつでも可能です。Webサイトは、1企業に1つという決まりもありません。また、Webサイトの情報は、GoogleやYahoo!などの検索サイトから検索されやすい、という特徴もあります。
これらの特徴を活かして
- 「製品サイト」「採用サイト」のようなテーマや目的別のサイト
- ファンづくりのための自社メディア(オウンドメディア)やブログなどの情報発信サイト
- オンライン広告をクリックした人に見てもらう専用サイト(LP:ランディングページ)
など、用途別のサイトを運営することで、Webマーケティングを行うことができます。
2.ネット広告
ネット広告には多くの種類がありますが、手軽に取り組みやすい代表的なものは、次のものでしょう。
リスティング広告
GoogleやYahoo!などの検索サイトのキーワード検索結果に連動して表示される広告です。
キーワードで何かを調べた人に対して、そのキーワードに関連性の高い情報(広告)を表示させるので、クリックされやすいと言われています。クリックした人をWebサイトに誘導します。
広告費はクリックされた分だけ。しかも1クリックあたり10円程度〜での出稿も可能なので、低予算・低コストでの運用も可能です。
SNS広告
Facebook、Twitter、Instagram、YouTubeなどのSNS(ソーシャルメディア)に掲載される広告です。SNS広告は、利用者の属性(年齢、地域など)や興味関心によって絞り込んだ利用者のみに広告を配信できるなどの特徴があります。自分に関係の深い、興味のある情報であればクリックしやすいでしょう。
クリックした人をWebサイトに誘導したり、自社のSNSアカウントのファンになってもらったりできます。こちらも比較的、低予算・低コストで運用できます。
特定業界向けサイトの広告
飲食店、美容院、不動産会社など、各業界の情報やクーポンなどを集めたサイトに、掲載費を払って情報やクーポンを登録することもネット広告の一種と言えます。
クーポンサイトのような集客力の強いサイトに掲載することで、多くの人に見てもらえる効果が期待できます。興味関心のある人に長期的なファンになってもらうというよりは、魅力的なクーポンを提供して、新規顧客に来店を促したり、資料請求や問合せをしてもらうなど、直接的な顧客獲得に向いています。そのため、費用は若干高めです。
3.SNS(ソーシャルメディア)
SNSは、基本的には個人が登録して楽しむためのものですが、企業や団体なども登録してアカウントを作ることができます。
代表的なものとしては、Facebook、Twitterが挙げられるでしょう。写真共有のInstagram、動画共有のYouTubeなどもSNS(ソーシャルメディア)と言えますし、LINEなどのメッセージングサービスもSNSに分類されることもあります。最近では、TikTokのような動画共有アプリも急速に広まっています。
SNSをマーケティングに活用する場合、
・SNSアカウントを開設して情報発信する
・SNS広告を出稿する
の2パターンが考えられます。アカウントの運用のみでも、広告併用でも可能です。
SNSアカウントは、無料で運営できる場合が多いですが、多くの人に見てもらえるかは、コンテンツ次第なので、拡散されやすいコンテンツを定期的に配信していくことが大切です。
4.メルマガ
インターネット利用が広まった初期の頃から行われている手法ですが、個人に情報を送る手段としては、未だに有効な方法の1つです。
以前は、取得したメールアドレスの一覧に対して、一斉にメールを配信することが中心でした。
最近では、個人ごとにカスタマイズしたメールを送信したり、問合せやサイト閲覧など、何かのアクションに対して、自動的に複数のメールを送るなどもの機能も一般化してきました。
マーケティングオートメーションツールの一部の機能として、自動メール配信が組み込まれていたりと、高度な使い方できるようになっています。
クラウドファンディングで支援者を募集する場合、広告を出すことは無いと思いますが、Webサイト、SNS、メルマガ/メールでのお知らせ・情報発信をしていくことになります。それらのメディアの閲覧者を事前に増やしておくことが、成功のポイントです。
短期的な登録者獲得には、マス広告が有効ですが、大手企業など知名度の高い企業には効率的であっても、無名の企業では効果が期待できません。大きなイベントの出展などは費用が高く、開催時期や来場者の選択に自由度もないため、綿密な計画が必要です。
それと比較するとWebマーケティングは、いつでも開始できますし、小規模、低予算でも運営可能なため、中小企業でも取り組みやすい活動です。
ただ、短期でファンを集めることにはあまり向いていないため、長期的な取り組みとなります。まだ取り組んでいない企業は、さっそく始めましょう。